こんにちは。
今日は喋りのプロ(ナレーターや声優等)を目指す方に向けたお話です。
舞台や映像の中でお芝居をする際には、その表情や身振り手振りも表現の一部になります。
ですから、たまに少し滑舌がヨレてしまっても相手にちゃんと伝わりますし、時にはそのヨレが逆にキャラクターの味を引き出すこともあります。
しかし声のみで勝負するナレーションや声優の芝居では、何と喋ったかを明確にしないと相手には伝わりません。
滑舌や声の大きさ、発声などはもちろんですが、私が個人的に厄介だと思うのはアクセントです。
声のみの勝負の場では、基本的に「共通語」(昔は「標準語」といいました)を使って話します。
共通語には決まったアクセントがあり、声のプロは正しいアクセントで話せるように専用の辞典を持っています。
しかし、この共通語。
いくら辞典通りに喋ったつもりでも、録音したものを聞いてみると、正しく発音されていない事も。
収録現場ですと、そんな時は周りの誰かから「アクセント間違っていますよ」と言われるのですが
何度指摘されても直らない方がたまにいます。
業界内ではこれを「耳がよくない」と言うことがあります。
音が聞こえない訳ではなく、微妙な音の高低を聞き取れないという状態です。
ピアノを例に出すと、鍵盤が1つ移動すると1音または半音、音が変わりますね。
日本語のアクセントの場合は、この「半音」よりももっともっと微妙な音の差が必要です。
この繊細な音の違いがわからないと、アクセントを間違っていた場合に、正しいものを聞き取れないため修正できないのです。
これは楽器に例えるなら弦楽器(ギターや三味線)のチューニングに近いイメージかもしれません。
では、どうやってこの微妙な音の差を聞き取れるように耳を鍛えるのか?
そのあたりはレッスンで少しずつお話できればと思います。